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「ゾコーバ」緊急承認

「ゾコーバ」緊急承認に改めて反対  薬害オンブズパースン会議、再審議を前に

2022/11/21 20:57

 薬害オンブズパースン会議は21日、塩野義製薬新型コロナウイルス感染症経口治療薬「ゾコーバ錠125mg」(一般名=エンシトレルビル フマル酸)への緊急承認の適用に反対する声明を、加藤勝信厚生労働相宛てに提出した。同剤は7月に継続審議となっており、22日に改めて審議される。

 同会議は6月にも同様の声明を出している。今回は、塩野義が臨床第2/3相(P2/3)試験P3パートで、新たにオミクロン株で特徴的な5症状消失までの時間を主要評価項目としたことについて、「治験の途中に、統計的有意差が得られそうなものに主要評価項目を変更することによって有効性を証明するという臨床試験における禁じ手が使われた」と批判。また、「5症状の消失までの時間が約24時間短縮される」ゾコーバに、「緊急承認制度を適用するほどの臨床的な意義があるのかどうか」と疑問を呈した。

 さらに、緊急性や代替性の要件を満たさないと指摘した上で、P3が終了しているのであれば、「正式な最終解析結果を提出させた上で、通常承認手続きによって審査すれば足りる」と訴えた。

 ソコーバは22日午後5時から、薬事・食品衛生審議会薬事分科会と医薬品第二部会の合同会議で緊急承認の可否が審議される。

 

 

塩野義コロナ飲み薬「ゾコーバ」緊急承認 軽症者も対象、国産初

市野塊2022年11月22日 19時02分

 厚生労働省は22日、塩野義製薬大阪市)が開発した新型コロナウイルスの飲み薬を緊急承認した。緊急承認は、感染症流行時などに迅速に審査する制度で、今回が初めての適用。軽症者にも使える初の国産の飲み薬となり、安定供給が期待される。

 この薬は「ゾコーバ(一般名・エンシトレルビル)」。ウイルスの増殖を妨げる作用があるとして、軽症や中等症の患者への使用が想定されている。1日1回、5日間服用する。コロナの医療費は公費でまかなわれているため、当面、患者の自己負担はない。

 緊急承認は、感染症流行やバイオテロの発生などの緊急時に、迅速に審査して承認するもので、今年5月、医薬品医療機器法を改正して設けられた。安全性はこれまで通り確認するが、有効性は「推定」できればよく、通常は数千から数万人の臨床試験(治験)の規模を小さくできる可能性がある。また、感染状況などの社会的な必要性も考慮される。

 塩野義は2月に別の審査制度を希望して申請していたが、改正法の成立後に緊急承認の申請に切り替え、6月と7月に開かれた専門家による審議を受けた。

 しかし、約400人分の治験のデータは、ウイルス量を減らす効果はみられたものの、疲労感や発熱などの12症状の総合的な改善効果は明確ではなかった。このため継続審議となっていた。(市野塊)

塩野義コロナ飲み薬「ゾコーバ」緊急承認 軽症者も対象、国産初 [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル

 

 

塩野義「ゾコーバ」緊急承認を了承 新型コロナ軽症者向け飲み薬

毎日新聞 2022/11/22 19:01(最終更新 11/22 19:24)

 

 厚生労働省の薬事・食品衛生審議会薬事分科会などの合同会議は22日、塩野義製薬が開発した新型コロナウイルス感染症の軽症者向け飲み薬「ゾコーバ」について、製造販売を緊急承認することを了承した。感染第8波を前に初の国産の飲み薬が実用化される。緊急承認制度の適用も初めて。

 医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査報告書などによると、ゾコーバは、体内でウイルスの増殖を妨げる働きをし、12歳以上の小児と大人が1日1回、5日間服用する

 最終段階の臨床試験(治験)は、重症化リスクの有無にかかわらず、軽症・中等症患者約1800人を対象に実施。速報値によると、偽薬(プラセボ)を投与した群との比較で、発熱やせきなど5症状が消えるまでの時間が約24時間短縮された。

 緊急承認制度は、緊急時に限り有効性が「推定」される段階での医薬品の実用化が可能となった。5月の医薬品医療機器法改正で創設され、同社が適用を求めていた。

 この日の会議では、審査報告書が「有効性を有すると推定するに足る」としたことを踏まえ、緊急承認を了承した。審査報告書では緊急承認の期限は1年とした。

 

 

 政府は薬事承認を前提に、塩野義から飲み薬100万人分を購入する契約を締結している。国内の新型コロナの軽症者向け飲み薬としては、既に実用化されている海外メーカー2製品は重症化リスクのある患者に限られており、治療の幅が広がる。

 一方、ゾコーバは胎児に奇形が生じる恐れが報告されており、日本感染症学会のガイドライン案は妊婦らへの投与を禁止。他薬剤との併用には注意することとした。

 ゾコーバを巡っては7月、治験の中間段階(第2相)の結果を踏まえて合同会議が緊急承認するかどうか審議した。ウイルス量を減らす効果を確認したが、12種類の症状改善の効果は明らかではなく、「有効性が推定できるとは判断できない」として了承を見送っていた。【村田拓也】

塩野義「ゾコーバ」を緊急承認 新型コロナ飲み薬 厚労省 | 毎日新聞

 

塩野義のコロナ飲み薬「ゾコーバ」を緊急承認=加藤厚労相

2022年11月22日7:40 午後

 

[東京 22日 ロイター] -

 加藤勝信厚生労働相は22日、塩野義製薬の飲み薬タイプの新型コロナウイルス治療薬「ゾコーバ」について、緊急承認したことを明らかにした。この日行われた厚生労働省の審議会で、緊急承認が了承されていた。

「ゾコーバ」は重症化リスクの低い患者も服用できるのが特長で、国内の製薬会社が開発した初めての飲み薬となる。

 加藤厚労相は、国内開発薬であることから「安定供給の観点からも大きな意味がある」と述べた。

7月の会合では承認が見送られ、継続審議となっていた。今回、第3相試験の全てのデータ提出を待つことなく、有効性を推定したうえで初めての緊急承認となった。

 日本政府は塩野義との間で、承認後速やかに100万人分を購入する基本合意を締結している。

塩野義のコロナ飲み薬「ゾコーバ」を緊急承認=加藤厚労相 | ロイター

 



 

( 参照 )

グレープフルーツジュースとの相互作用

グレープフルーツジュースは、CYP3A阻害薬である(強い)

  • 「医療現場における薬物相互作用へのかかわり方ガイド」日本医療薬学会(2019年11月)p.45→「CYPの関与する基質、阻害薬、誘導薬の代表例(特に高齢者での使用が想定され注意が必要な薬物)」
  • 「医薬品開発と適正な情報提供のための薬物相互作用ガイドライン(最終案)」(2016年7月)
    (実践薬学2017,pp.146-147)

グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類は、小腸上皮細胞に存在する代謝酵素CYP3A4を阻害する働きを持っている。

 Ca拮抗薬は、消化管から吸収される際に代謝酵素CYP3A4によって適度に分解されている。そこにグレープフルーツが存在すると、代謝酵素CYP3A4の働きが阻害されるため、Ca拮抗薬の作用が強くなり過ぎて頭痛などの副作用を起こすことがある。

「グレープフルーツと薬物の相互作用について (Ver.090129)」は、Ca拮抗薬とグレープフルーツジュースの相互作用について次のように説明している。
(「健康食品」の安全性・有効性情報/国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail825.html

代謝を受けやすい薬物は、本来ならば小腸上皮細胞に存在する薬物代謝酵素CYP3A4によってある程度代謝を受け不活性化されるため、循環血液中に入る薬物量が少なくなります。しかし、グレープフルーツ中のフラノクマリン類がCYP3A4を阻害すると (PMID:9153299) (PMID:9723817) 、薬物が不活性化されないため、循環血液中に入る薬物量は多くなり、その結果として体内濃度の指標となるAUCやCmaxが大幅に増加し (PMID:7715295) (PMID:7768070) (PMID:11103749) (PMID:11180034) (PMID:15592332) 、結果として薬物が効きすぎてしまう状況になります」。

なお最近の研究成果では、小腸上皮細胞の薬物輸送タンパク質(P糖蛋白質:薬物を消化管上皮細胞から管腔側へ排泄)を介した相互作用の機序については、否定的である。

相互作用の程度は、Ca拮抗薬の種類によって異なる。
中にはAUCやCmaxが2倍以上上昇する薬物がある。
バイオアベイラビリティが低い薬物(約30%以下)ほど影響を受ける。

⇒「バイオアベイラビリティ(生物学的利用率)と血中濃度曲線下面積(AUC)」

Ca拮抗薬(CCB)

⇒「Ca拮抗薬(ジヒドロピリジン系)
⇒「抗不整脈薬(Vaughan Williams分類からSicilian Gambitへ)

Ca拮抗薬は、いずれもCYP3A基質薬である。
そしてその強さは、ジヒドロピリジン(DHP)系Ca拮抗薬と非ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬(フェニルアルキルアミン系:PAA、ベンゾチアゼピン系:BTZ)で異なる。

ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬の中には、グレープフルーツジュースと併用した場合、AUCやCmaxが大幅に上昇する薬物がある。

ニソルジピンフェロジピンアゼルニジピンでその傾向が最も強く、中にはAUCあるいはCmaxを5倍程度まで上昇させるものもある。
これらは、いずれもバイオアベイラビリティ(BA)の低い薬物であり、CYP3Aの影響を強く受けやすい基質薬となっている。
(BA:ニソルジピン3.9%、フェロジピン16%、アゼルニジピン不明)

ただし、実際臨床上の副作用としては、ベニジピン(コニール)で「下半身の脱力感やふらつき」、シルニジピン(アテレック)で「顔面紅潮」の報告があるものの、Ca拮抗薬に関しては重篤なものは無い。(製薬メーカーからの聞き取り調査報告、下記資料より)

参考)鹿児島市医報,第43巻第11号(通巻513号)2004(平成16年)
「Ca拮抗薬とグレープフルーツジュースとの相互作用について」
https://www.city.kagoshima.med.or.jp/kasiihp/wordpress/wp-content/uploads/2018/02/H16-11.pdf

そうした中で、アムロジピンにはほとんどグレープフルーツジュースとの相互作用は見られない。ちなみに、アムロジピンのBA64%である。

グレープフルーツジュースによるアムロジピン血中濃度の上昇は軽度(Cmax 115%、AUC 116%に上昇)で血圧と心拍数に影響はなかったとの報告、及び薬物動態と血圧に影響はなかったとの報告がある。(外国人データ) 」。(アムロジン錠インタビューフォーム)

なお、2010年8月になって、アムロジピンとGFJの併用注意(併用に注意すること)が追記されている。その理由は、「「症例の蓄積」と「外国の添付文書情報等との整合性を図るため」」とされている。
ただし、実臨床において副作用が発生したわけではない。

グレープフルーツジュースとCa拮抗薬など(CYP3A阻害) - 日本の薬害・公害(Akimasa Net)



https://www.shionogi.co.jp/med/products/drug_sa/xocova-att/XCV-DC-0002.pdf

 

https://www.shionogi.co.jp/med/products/drug_sa/xocova-att/XCV-C-0006.pdf