今年の漢字は「戦」 清水寺で発表、最多1万804票 2位は「安」
西田健作2022年12月12日 15時36分
2022年の世相を表す漢字は「戦」――。日本漢字能力検定協会(京都市東山区)は12日、全国から募集し、最も選んだ人が多かった「今年の漢字」を清水寺(同)で発表した。森清範(せいはん)貫主が縦1・5メートル、横1・3メートルの和紙に文字を書き上げた。
募集期間は11月1日から12月5日で、22万3768票の応募のうち、「戦」は最多の1万804票だった。
選ばれた理由は主に、ロシアのウクライナ侵攻▽サッカーW杯での日本代表の試合▽MLBの大谷翔平選手の活躍▽新型コロナや物価高への対応――などだった。「戦」が選ばれたのは2001年以来2度目。2位は「安」(1万616票)、3位は「楽」(7999票)だった。以下、4位「高」(3779票)▽5位「争」(3661票)▽6位「命」(3512票)▽7位「悲」(3465票)▽8位「新」(3070票)▽9位「変」(3026票)▽10位「和」(2751票)。
同協会は1995年から、「いいじいちじ」と読む12月12日の「漢字の日」に「今年の漢字」を発表している。今年で28回目になった。
揮毫(きごう)を終えた森貫主は「『乱』ではないかと思いながら手のひらに描いて稽古していた。来年こそは『戦』が終わって、皆が心安らかな日々を送れるようになっていただきたい」と話した。(西田健作)
今年の漢字は「戦」 清水寺で発表、最多1万804票 2位は「安」:朝日新聞デジタル
1年の世相を表す「今年の漢字」は? 13日発表へ 最多は「金」
原田達矢2021年12月12日 7時00分
1年の世相を漢字1文字で表す「今年の漢字」が13日午後2時過ぎ、京都市東山区の清水寺の舞台で発表される。新型コロナウイルスの感染が拡大した昨年の漢字は「密」だったが、果たして今年は――。
立派な袈裟(けさ)を身にまとった森清範貫主(81)が、大きな和紙に太い筆で一気に書く様子は、師走の風物詩となっている。ただ、あの字は清水寺のお坊さんたちが会議を開いて決めているわけではない。森貫主も当日まで、どの字を書くか知らないという。
決めているのは、日本漢字能力検定協会(京都市東山区)。日本全国からはがきやインターネットで募った漢字の中から、最も多いものを選んでいる。目的は漢字に関心を持ってもらうこと。1995年に始まり、今年で27年目だ。
これまで最も多く選ばれたのは「金」の3回。シドニー五輪のあった2000年、ロンドン五輪の12年、そしてリオデジャネイロ五輪の16年とくれば、東京五輪が開催された今年も可能性はあるかもしれない。ただ、日本選手の金メダル獲得という明るい話題だけでなく、政治資金が関わる「政治とカネ」の問題が繰り返されてきたことも背景にあるという。
次いで多いのが「災」の2回。西日本豪雨や北海道胆振東部地震など、大規模な災害が相次いだ18年と、新潟県中越地震が起きた04年に選ばれた。過酷な自然現象が漢字となった年はほかにもある。全国で猛暑を記録した10年は「暑」、阪神・淡路大震災に見舞われた95年は「震」だった。(原田達矢)
この10年の「今年の漢字」と、選定理由となった主な出来事
2020年「密」=新型コロナウイルスが世界的に流行。日々の活動が制約される一方、大切な人との関係が密接になった
19年「令」=新元号が「令和」に。法令改正による消費増税があった
18年「災」=各地で大規模な自然災害が多発し、多くの人が被災。防災や減災意識が高まった
17年「北」=北朝鮮のミサイル発射や九州北部豪雨などにより、平和や安全の尊さを実感した
16年「金」=リオ五輪で多くの日本選手が金メダル。「政治とカネ」に絡んだ問題が相次いだ
15年「安」=安全保障関連法案に国民が注目。テロや異常気象、建築偽装などで不安が広がった
14年「税」=消費税率が17年ぶりに8%に引き上げ。税に関わる話題が政財界で多く取り沙汰された
13年「輪」=東京五輪の開催決定や富士山の世界遺産登録で日本中が輪になって歓喜に沸いた