藤枝順心が3-0で聖和学園(宮城)に快勝し、7年ぶり2度目の栄冠を手にした。今年1月の全国選手権に続く、2大会連続での全国制覇で、今大会の静岡県勢金メダル第1号となった。昨年のU-17杯に出場したFW辻沢亜唯(3年)FW高岡澪(みお、3年)MF久保田真生(まお、3年)の「日の丸トリオ」がそろって1得点。5日間で4試合を戦う過密日程で粘り強さを発揮し、夏の女王に返り咲いた。

   ◇   ◇   ◇

 北の大地に順心イレブンの笑顔が弾けた。攻守で相手を圧倒したまま終了の笛が鳴り響くと、ピッチ中央で歓喜の輪を作った。夏の優勝は7年ぶり。遠ざかっていたタイトルを奪い返した。今冬の全国選手権に続く、2大会連続全国Vの偉業を達成。中村翔監督(34)は「素晴らしいの一言」と目を細めた。

 先制パンチが効いた。前半3分、右クロスを辻沢がヘディングでネットを揺らした。3戦連発のヒロインは「DFとGKの間が空くのは分かっていた」。前日に分析した相手の弱点を突く1発でリードすると、同14分に高岡が左CKからヘディングで追加点。後半26分には久保田が右足でダメ押しの3点目を奪った。高岡は「勝利につながるゴールが取れてうれしい」。U-17W杯出場の3人が今大会初めてそろい踏み。役者が活躍し、初優勝を狙った相手を寄せ付けなかった。

 初戦と準決勝でPK勝ち。主将のDF大川和流(なる、3年)は「苦しい試合が多かった」と本音を明かした。戦い方を研究されることは想定内。長所を消されても、相手の短所をしぶとく突いた。試合前は映像を使って相手を分析し、飛び道具となるセットプレー練習にも時間を割いた。聖和学園の試合は1回戦から全てチェックしていたという。決勝のテーマは攻撃的スタイルを貫くこと。選手らも納得する今大会ベストゲームで締めくくった。

 追われる立場となったが、満足はしていない。久保田は「もっと強くなって選手権も優勝したい」と宣言した。冬の優勝6回は単独最多。7度目を成し遂げ、順心の「1強時代」を築き上げる。【神谷亮磨】

藤枝順心7年ぶり2度目V「日の丸トリオ」そろって1得点で快勝 2大会連続での全国制覇 - サッカー : 日刊スポーツ

 

 

https://www.jfa.jp/match/koukou_soutai_2023/women/match_report/m15.pdf