黒澤敬太郎
西部本社報道部運動グループ
毎日新聞 2023/12/10 07:09(最終更新 12/10 07:54)
米大リーグ・エンゼルスからフリーエージェント(FA)になった大谷翔平選手(29)がドジャースと契約合意したと9日(日本時間10日)、大谷選手の代理人事務所が発表した。代理人事務所によると契約は10年総額7億ドル(約1015億円)で、エンゼルスで同僚だったマイク・トラウト外野手が2019年に結んだ12年総額4億2650万ドルのメジャー史上最高額を大幅に上回った。
メジャー公式サイトはサッカーのメッシ選手らを上回り「世界のスポーツ史上最高額の契約となる」としている。
今季は日本選手初の本塁打王を獲得し、史上初となる2度目の満票でア・リーグの最優秀選手(MVP)に輝いた大谷選手が、オフシーズンでもメジャーの歴史を塗り替えた。総額7億ドルは大リーグに加え、バスケットボールのNBA▽フットボールのNFL▽アイスホッケーのNHL――の北米4大プロスポーツ全体でもNFLチーフスのQBパトリック・マホームズ選手の10年総額4億5000万ドルを更新する史上最高額と、まさに「天文学的」契約となった。
大リーグを代表する一流選手たちは、これまで日本円で数百億円規模の大型契約を結んできた。新人王や2度のMVPを獲得していたトラウト選手は19年に当時メジャー史上最高額でエンゼルスとの契約を延長した。22年にア・リーグ新記録の62本塁打を放ったアーロン・ジャッジ外野手は、その年のオフにヤンキースと9年総額3億6000万ドルで再契約した。
それらの数字と比較しても、大谷選手の総額7億ドルはずば抜けた巨額契約だが、スポーツビジネスに詳しい東京都市大学の江頭満正非常勤講師(スポーツマネジメント)は「球団にとっては契約する価値がある」と話す。
右肘手術の影響で来季は打者に専念する予定だが、その後期待される投打二刀流でのチームへの貢献度はもちろんのこと、大谷選手の規格外のスター性による人気面も球団にとって大きな魅力となる。
江頭さんによると、近年は米国でも消費者が重視する傾向が、物品を買う「モノ消費」から体験や経験に料金を払う「コト消費」にシフトしており、「スポーツやエンターテインメントにお金が集まりやすい状況にある」という。米国内だけではなく、日本を中心としたアジア圏のファン拡大も図れることから、「大谷選手人気のマーケットはとても大きい」と強調する。
大谷選手は実力と周りから愛される人柄を兼ね備えており、「米国でもあれだけのスターは久しぶり」という人気ぶりだ。「『大谷選手が所属する球団』というブランドがつくことで、球団自体の企業価値も向上する」と解説する。
大谷選手は17年オフ、年齢制限のためマイナー契約しか結べず、契約金231万5000ドル、年俸54万5000ドルという中で大リーグでのプレーを選んだ。あれから6年。異次元の活躍を続ける大谷選手にふさわしい、異次元の契約が結ばれた。【黒澤敬太郎】
大谷翔平が「天文学的」巨額契約 識者は「契約の価値ある」 | 毎日新聞
「野球界のために努力」 ドジャース移籍の大谷、メッセージ全文
毎日新聞 2023/12/10 06:54(最終更新 12/10 06:54)
米大リーグの大谷翔平選手が9日、ロサンゼルス・ドジャースと契約したことを自身のインスタグラムで明らかにした。大谷選手は英語でのメッセージで、今季まで所属したロサンゼルス・エンゼルスのファンへの思いや今後の抱負を語った。
【ワシントン秋山信一】
◆日本語訳
すべてのファン、そして野球界に関わるすべての皆様へ、決心するまで非常に時間がかかったことをおわびします。次のチームとして、ドジャースを選ぶことを決めました。
まず、エンゼルスに関わるすべての皆様、6年間私を応援していただいたファンの皆様、そしてこの交渉プロセスに関わったそれぞれのチームの皆様に、心から感謝を伝えたいと思います。浮き沈みのある中でも私を応援してくれたエンゼルスのファンには、特に感謝を伝えたいです。あなたたちの応援と励ましは、私にとってかけがえのないものでした。エンゼルスで過ごした6年間は、永遠に私の心に焼き付けられるでしょう。
そして、すべてのドジャースファンの皆様、私はチームのために常にベストを尽くし、自分の最高の力を出せるように努力し続けることを誓います。キャリアの最後の日まで、ドジャースのためだけでなく、野球界のために懸命に努力し続けたいと思っています。
◆原文(英語)
To all the fans and everyone involved in the baseball world, I apologize for taking so long to come to a decision. I have decided to choose the Dodgers as my next team.
First of all, I would like to express my sincere gratitude to everyone involved with the Angels organization and the fans who have supported me over the past six years, as well as to everyone involved with each team that was part of this negotiation process. Especially to the Angels fans who supported me through all the ups and downs, your guys’ support and cheer meant the world to me. The six years I spent with the Angels will remain etched in my heart forever.
And to all Dodgers fans, I pledge to always do what’s best for the team and always continue to give it my all to be the best version of myself. Until the last day of my playing career, I want to continue to strive forward not only for the Dodgers but for the baseball world.
There are some things that cannot be conveyed in writing, so I would like to talk more about this again at a later press conference.
Thank you very much
「野球界のために努力」 ドジャース移籍の大谷、メッセージ全文 | 毎日新聞
大谷翔平の7億ドル契約金、ドジャース「ぜいたく税」回避へ大部分は後払いと米メディア報道
[2023年12月10日7時7分]
エンゼルスからFAとなっていた大谷翔平投手(29)が8日(日本時間9日)、ドジャースと契約合意した。本人がインスタグラムで発表し、続いて所属先の代理人事務所CAAが公表した。10年総額7億ドル(約1015億円)の超大型契約。大リーグ史上最高の契約額となった。
複数の米メディアによると、大谷の契約金の大部分は後払いとなるようだ。年俸を大幅に減らすことができれば、チームの総年俸が規定額を超えた場合に科される「ぜいたく税」を回避できる。これは、大谷のアイデアだという。
もともと、スター軍団の多いドジャースは総年俸が高く、さらにメジャー最高年俸の大谷が加入すると補強に乗り出しにくい。だが、後払いで年俸を抑え、ぜいたく税の規定額まで余裕ができることにより、チームはさらなる補強が可能。強豪球団でワールドシリーズ制覇を目指す大谷の強い意志が、チーム編成の柔軟性を生み出した。
大谷翔平の7億ドル契約金、ドジャース「ぜいたく税」回避へ大部分は後払いと米メディア報道 - MLB : 日刊スポーツ
大谷翔平がドジャースと10年総額7億ドル これまでの日本人最高契約額はヤンキース田中将大
[2023年12月10日5時42分]
エンゼルスからFAとなっていた大谷翔平投手(29)が9日(日本時間10日)、ドジャースとの契約に合意した。所属先の代理人事務所CAAが発表した。契約は10年総額7億ドル(約1015億円)。日本人初の本塁打王を獲得した投打二刀流が、メジャー7年目にして同じロサンゼルスを本拠地とする強豪球団に移る。
◆日本選手の大型契約 総額の過去最高は田中将大が楽天からポスティングシステムで大リーグに移籍した1年目、ヤンキースと14年から結んだ7年1億5500万ドル(当時1ドル105円換算で162億7500万円)。
大谷翔平がドジャースと10年総額7億ドル これまでの日本人最高契約額はヤンキース田中将大 - MLB : 日刊スポーツ
大谷翔平がドジャースと10年1015億円で合意 メッシ860億円、トラウト618億円
[2023年12月10日5時39分]
エンゼルスからFAとなっていた大谷翔平投手(29)が9日(日本時間10日)、ドジャースとの契約に合意した。所属先の代理人事務所CAAが発表した。契約は10年総額7億ドル(約1015億円)。日本人初の本塁打王を獲得した投打二刀流が、メジャー7年目にして同じロサンゼルスを本拠地とする強豪球団に移る。
◆スポーツ界の大型契約 サッカーのアルゼンチン代表FWリオネル・メッシが17年11月から21年6月まで、スペイン1部リーグのバルセロナと結んだ契約は、4年間で約5億5500万ユーロ(約860億円)。スペインの全国紙ムンド(電子版)はスポーツ史上最高額の契約と伝えた。北米4大スポーツ(MLB、NFL、NBA、NHL)では、NFLチーフスのQBパトリック・マホームズが31-32年シーズンまで結んだ10年5億300万ドル(約729億円)が最高額。MLBの過去最高額はマイク・トラウト(エンゼルス)が19~30年に結んだ12年4億2650万ドル(約618億円)。
大谷翔平がドジャースと10年1015億円で合意 メッシ860億円、トラウト618億円 - MLB : 日刊スポーツ