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「十三夜」

今週末は月に注目 金曜は「十三夜」 日曜は「部分月食」  気になる天気は?

2023年10月26日09:56

吉田 友海

日本気象協会 本社気象予報士 

熱中症予防指導員

吉田 友海

 

今週末は月に注目 金曜は「十三夜」 日曜は「部分月食」  気になる天気は?

 

今週末は「月」に注目してみてください。27日(金)は「十三夜」で、中秋の名月(十五夜)に並ぶ名月です。29日(日)は「部分月食」が起こります。各地の気になる天気は?

 

 

27日(金)は「十三夜」

10月27日(金)は、旧暦だと9月13日です。昔から、日本では旧暦9月13日の月を「十三夜」として眺める風習があります。

「十三夜」は、中秋の名月(十五夜)に並ぶ名月です。十五夜は里芋を供えることから「芋名月」と呼ばれますが、十三夜は栗や枝豆を供えることから「栗名月」や「豆名月」とも呼ばれています。中秋の名月とあわせて「二夜(ふたよ)の月」とも呼ばれる名月を、ぜひ眺めてみてください。

29日(日)は「部分月食

29日(日)は「部分月食」

 

 10月29日(日)5時24分に満月を迎えます。
この日の明け方には「部分月食」が起こり、部分食の始まりから終わりまでをほぼ日本全国で見ることができます。(小笠原諸島などでは、月が欠けたまま沈む「月入帯食(げつにゅうたいしょく)」となります。)

 月食は、月が地球の影に入ることによって起こります。今回起こるのは、地球の影(本影)によって月の一部が隠される「部分月食」です。今回の月食では、月の直径の12.8パーセントまでしか地球の影に入り込まず、あまり大きくは欠けません。

 国立天文台によりますと、部分食が始まる(月が欠け始める)のは4時34分頃です。月は徐々に地球の影に入り込み、5時14分頃に月が最も欠けます(食の最大)。その後、月は徐々に地球の影から抜け出し、5時53分頃に部分食が終わります。

 部分食が終わって間もなく、月の入りとなります。部分食の終わり頃には月の高度が低くなりますので、西の空が開けた場所で観察するとよいでしょう。

 

 

各地の天気は?

各地の天気は?

 

 27日(金)の夜は、北海道や東北、北陸から山陰は雲が多く、所々で雨が降るでしょう。日本海側を中心に雷を伴う所がありそうです。関東は晴れる所が多く、お月見ができるチャンスです。東海や近畿、四国も雲が広がりやすく、雨の降る所があるでしょう。ただ、雲の切れ間もあり、雲の隙間から見られる可能性があります。九州や沖縄はおおむね晴れて、お月見できそうです。

 

今週末は月に注目 金曜は「十三夜」 日曜は「部分月食」  気になる天気は?_画像

 

 29日(日)の明け方は、北海道は雲が広がりやすいでしょう。東北の日本海側や北陸も雲が多い見込みです。東北の太平洋側、関東から九州、沖縄はおおむね晴れるでしょう。部分月食を見られるチャンスです。

夜間は各地とも冷え込みますので、しっかりと寒さ対策をして観察してください。

 

2023年9月29日 中秋の名月

 

十三夜の意味や由来は? 十五夜との違い、2023年がいつなのかも紹介

「十三夜」とは、旧暦の9月13日~14日の夜のことをいいます。「十五夜」の方がよく耳にするかもしれませんが、秋の満月を鑑賞する「お月見」の風習には「十三夜」という、日本独特の風習があるんです。本記事では「十三夜」の意味や由来、十五夜との違いについて解説します。

 

「十三夜(じゅうさんや)」の意味や由来

みなさん、「十三夜」をご存知でしょうか? 広く知られているのは「十五夜」ですよね。「中秋の名月」とも呼ばれ、美味しい月見団子を食べながら、秋の満月を鑑賞する「お月見」の風習がありますよね。

実はそんな「十五夜」の他にも「十三夜」という、日本独特の風習があるんです。今回は、「十三夜」についてご紹介します。秋の夜長に日本古来の素敵なお月見をしてみませんか?

まずは、「十三夜」の意味や由来について解説します。

◆「十三夜」の意味や由来

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十三夜は旧暦の9月13日~14日の夜をいいます。十五夜が中国伝来の風習であるのに対し、十三夜は日本で始まった風習。十五夜では月の神様に豊作を願います。十三夜は、稲作の収穫を終える地域も多いことから、秋の収穫に感謝しながら、美しい月を愛でるのです。この時代は、月の満ち欠けなどを用いて暦を計算する旧暦を用いていたため、人々の生活と月は密接につながっていました。

旧暦は、毎月新月から数え始めます。新月から数えて、14日目~17日目が満月です。十五夜新月から数えて15日目なので満月、もしくは満月に近い月。十三夜は新月から数えて13日目なので、満月には少し欠ける月です。十三夜は、十五夜の次に美しいとされています。

十三夜のお月見の始まりについては、諸説あります。平安時代醍醐天皇が、月見の宴を催し詩歌を楽しんだのが、十三夜の月見の始まりではないかという説が代表的です。また、平安時代後期の書物に明月の宴が催されたことが記され、宇多天皇が「今夜の名月は並ぶものがないほど優れている」という意味の詩を詠んだという記述があり、風習として親しまれていたことが分かります。

十五夜も十三夜も、お月見を楽しむことを大切にしており、どちらか一方しか見ないことを「片見月(かたつきみ)」・「片月見」と呼びます。片月見は、縁起の悪いこととされ、災いが来るといって忌まれていました。十五夜と十三夜を合わせて「二夜の月(ふたよのつき)」と呼びます。

また、9月と10月の間に「閏9月」がある年には、十五夜と十三夜が2回訪れ、2回目は「後の十五夜」「後の十三夜」と呼ばれます。閏月(うるうづき・じゅんげつ)とは、月の満ち欠けによって決まる太陰暦の1年と太陽暦の1年とのずれを補うために入れられる月のことです。閏9月が入れられた年は、2回ずつ十五夜と十三夜を楽しむことが出来ます。美しい月を愛でる機会が多いのは、良いことですね。

さらに、東日本を中心に旧暦10月10日に十日夜(とおかんや)と言われる行事がありますが、お月見よりも収穫祭の意味合いが強いです。十日夜に見る月が、その年の収穫の終わりを告げるとされていました。十五夜と十三夜、十日夜が全て晴天に恵まれると、縁起が良いと言われています。

◆20223年の「十三夜」は10月27日(金)

では、今年はいつ、お月見をしたら良いのでしょうか?

十三夜は、旧暦の日付で定められているため、毎年同じ日にやってくるとは限りません。2023年の十五夜は9月29日(金)、十三夜は10月27日(金)です。片月見とならないよう、両日とも、お月見を楽しみましょう。

「十三夜」の別名は「豆名月・栗名月・後の月」

十三夜には、別の言い方があります。この時期は、栗や豆が収穫できる時期であり、旬のものをお供えしてお月見をしたことから「豆名月(まめめいげつ)」「栗名月(くりめいげつ)」と呼ばれます。十五夜芋名月が、芋を収穫しお供えしたことから名づけられたのと同じですね。

また、十五夜に次いで美しく、十五夜の後に巡ってくるので、「後(のち)の月」とも呼ばれます。

「十三夜」もお団子を飾る? 並べ方や後の月見についても知ろう

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お月見では、秋の収穫に感謝するため、収穫物をお月様にお供えします。お供えしたものは、必ず美味しくいただきましょう。神様との結びつきが強くなると考えられています。十五夜に対して十三夜の月見を「後の月見」と言います。

「後の月見」に何を準備して、楽しみましょうか? まずは、月見団子。十三夜の場合は、13個のお団子を用意し、1段目に9個、2段目に4個並べます。月見団子は、お月様から見えるところもしくは、床の間にお供えしましょう。合わせて、収穫された旬の果物や野菜をお供えし、秋の実りに感謝します。旬を迎える栗やブドウと言った果物がおすすめです。名前の由来にもなっている枝豆、大豆をお供えするのも良いでしょう。

そして、収穫物と共に、ススキを飾ります。ススキの鋭い切り口は、魔除けになる。茎の内部が空洞のため、神様の宿り場になると信じられていたため、古くから神様の依り代(よりしろ)と考えられていました。悪霊や災いなどから収穫物を守り、翌年の豊作を願う意味が込められています。

最後に

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今回は「十三夜」について解説しました。いかがでしたでしょうか? 古くから日本では、四季折々の自然を感じて暮らしてきました。秋の澄んだ空気の中、綺麗な月を見上げて、秋の実りに感謝することがお月見の風習です。日々の忙しさに追われる現代ですが、ふと立ち止まり、月を見上げてみる。今年は、そんな心休まる時間を過ごしてみてはいかがでしょうか?